模試における算数の計算問題で「計算ミス」をなくす方法と計算についての話

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〜親友の某有名中学受験塾・算数責任者に聞いてみた〜

中学受験生をもつ保護者の方から、よく聞くのがこんな声です。

  • 模試での計算ミスが減らなくて心配

不安になりますよね。

そこで今回は、親友である
「某有名中学受験塾の算数責任者」 に話を聞いてみました。

※塾名は伏せますが、長年最前線で中学受験算数を見続けている人物です。
内容が非常に有益だったため、記事にすることについてもOKをもらっています。


まず大前提:模試でも「人は必ずミスをする」

最初に、算数責任者がはっきり言っていたのがこの話。

「人間である以上、ミスは避けられない。子どもならなおさら」

これは普段の家庭学習でも同じですが、
模試ではさらに条件が厳しくなります。

  • 時間制限がある
  • 周りの空気がいつもと違う
  • 緊張している
  • 問題量が多い

つまり、
👉 模試での計算ミスは“能力不足”ではなく“環境要因”が大きい
ということです。


本番でも見直してミスしたなら、それ以上は追わない

ここは、多くの保護者が安心していいポイントです。

「本番(模試)で、
1回目に普通に解く → 2回目に見直す
それでも間違えたなら、それ以上は追及しなくていい」

なぜなら、

  • その場で直せないミスは
  • 精神論や注意力では改善しない

からです。

この場合は、
👉 普段の計算練習量を増やす方向に切り替える
それが唯一、建設的な対応になります。

ここで必要以上にミスを責め立ててしまうと算数嫌いになったり、勉強嫌いになったりとデメリットも大きくなり、子供の自己肯定感を下げてしまうことにもつながるとのことです。

逆に、子供自身がミスをなくしたいと思えるような仕組み(目標点数をとれたら盛大なご褒美など)を作って子供自身がミスを減らしたいと考えさせることができればベリーベストとのことです。


子どもは「見直し」より「後ろの問題」を解きたい

算数責任者がよく見る光景として、こんな話も出ました。

「見直しの時間があるなら、
後ろの難しい問題を解きたい、という子は本当に多い」

これは悪いことではありません。

むしろ、

  • 難しい問題を解きたい
  • 思考力問題が好き
  • 考えること自体を楽しめる

こうした子のほうが、
長期的には大きく伸びる可能性が高い
というのは、現場ではよく知られている事実です。


計算ミス対策は「学年」ではなく「精神年齢」

ここで重要な視点。

「計算ミス対策は、学年で一律に決めてはいけない」

同じ小4でも、

  • 戦略を理解できる子
  • まだ感覚的に解いている子

では、取るべき戦略がまったく違います。


「ミスするなら筆算しなさい」は半分正解、半分不正解

よくあるアドバイスですが、これについても補足がありました。

  • 家での練習
    低学年のうちは暗算できる領域を広げることも実は大事
  • 模試・本番
    危ない橋を渡るような暗算はしない

つまり、

  • 練習ではチャレンジOK(タイマーでスピード意識しつつ暗算にもチャレンジさせ、ミスしても責めすぎない)
  • 模試では安全第一

この切り替えができるかどうか、きちんとミスを許容できるか、というのも
長い目で見て計算力、算数力を伸ばせるかの境目になります。


戦略性を議論できるレベルの子(※ごく少数)

※ここで紹介する方法は
対象となる子はごく少数と思ってください。
大人は、このレベルを多くの子に求めすぎる傾向があります。

① 途中式を「メモ」として残す

  • 1回目は普通に解く
  • 途中式を“後で確認できる程度”に残す
  • 2回目の見直しでは
    👉 その途中式を1つずつチェック

最初からやり直すのではなく、
チェック作業にするのがポイントです。


② 逆算問題では「答えを入れて式を確認」

式の途中に□がある問題では、

  • 1回目で途中経過を残す
  • □に自分の答えを入れる
  • 途中経過のメモと一致しているか
  • 式が成立しているか

を確認します。


③ 大きな掛け算は「9で割った余り」を使う

ある程度大きな整数の掛け算では、

  • 9で割った余りに注目
  • 左右の整合性をチェック

という簡易検算も有効です。
(時間をかけすぎない範囲で)


ほとんどの小学生はこちら:シンプルな戦略

こちらが大多数の子におすすめの方法です。
実は私自身も、えっこれでいいの?というのが正直な感想なのですが、現場をよく知るがゆえの言葉だと感じました。
大人からすると物足りない感覚があるかもしれませんが、シンプルゆえに見直し作業をしたのかどうかの検証もしやすいという点で継続性もあり、逆に合理的とのことです。

計算問題は「必ず2回解く」

1回目
→ 普通に解く

2回目
1回目の途中式・メモをすべて消す(または見ない)

  • 2回目も同じ答え → OK
  • 答えが違う →
    もう一度、途中メモを消して解き直す

逆算問題も同じ考え方

  • 1回目の途中メモは見ない
  • □に1回目の答えを入れる
  • 式が成立しているか確認

※途中メモを見ない理由
👉 1回目にミスしていると、その思考に引っ張られてしまうから

新鮮な状態で2回解けば、計算問題の正答率が90%ある子であれば2回とも計算をミスする可能性は1%、これが模試の中では制限時間との兼ね合いで現実的に許容すべきラインと見てもよいのではないでしょうか。


まとめ:模試の計算ミスは「戦い方」で減らせる

  • ミスは前提として受け入れる
  • 本番で直せないミスは、普段の練習で潰す
  • 子どもの精神年齢に合った戦略を選ぶ
  • ほとんどの子には「2回解く」→違う答えがでたら「3回目解く」が最強

模試の計算ミスは、
叱る対象ではなく、戦略を見直すサインです。

やり方を変えるだけで、
点数は驚くほど安定します。